トランプに捨てられたら、テロリストに寝返る?

アメリカが支援する「穏健な反政府軍」は、トランプに見捨てられることを恐れてテロリストに転向か(Sputnik誌より)

syria
今後の世界が「マルチポーラーワールド」になるのか、アメリカ一強が続くのかの「決戦の舞台」と化しているシリア情勢ですが、今回、けっこう気になる情報があったので、多少のまとめをしておこうかと。
  1. シリアの反政府軍のうち数万人は、トランプが彼らを見捨てるではないかと思って、アルカイダや、ほかの過激派など、新しい「武器配給元」を探している。
  2. CIAは、3年前から密かに、反政府軍に武器を配給してきた。
  3. 最近は、米軍からの武器配給が止まってしまっているので、思うようには戦えなくなっている。
  4. 彼らは、シリア政府軍やロシアへのゲリラ戦術や、狙撃戦術を、もっとやりたいと思っている。
  5. トランプは、反政府軍が素性が知れない、信用できないと言っている。
  6. トランプは、シリア政府とロシアと一緒にISISと戦い、反政府軍への支援は減らすと言っている。
  7. 米露の外交官は、金曜日にローマで会談し、アレッポでの戦闘を終わらせる相談をしていて、水曜日にまた会う予定である。
なるほど、ローマで会ったというのはこれはもう、「講和」ですね。
アレッポという場所は、日本で言うなら「関ヶ原」だったというわけです。
もう、シリアで戦争を続けられない、アメリカが敗けたし、そして、クリントンも敗けたから、トランプだと戦争が続けられない、だから、次にやることは、講和しかなくて、そして、前から言っているように、トランプ当選がわかってから、そしてトランプとプーチンが電話会談をやってから、ものごとがどんどん動いている。
なので、オバマは「自分の不始末が見つからないようにしたい」と思って、自分がホワイトハウスにいる間に、まとめてしまいたいのではないか。
イスラエルには、どういうふうに説明しているのか知りませんが、アルヌスラを殺せと言い、ここに書いてあるように反政府軍への武器の供給をやめて、そしてローマでロシアと講和をやり始めたのだったら、これはもう、「終わらせる」ということしか、ないと思うけど。

「武器をくれなくなった」

It also cites one US-vetted rebel commander, without revealing his name as saying that the rebels "are very frustrated. The United States refuses to provide weapons they need, and yet it still thinks it can tell them what to do. They promise support and then watch us drown," he states.

ある匿名のアメリカが支援している反政府軍司令官は、反政府軍は非常に不満がたまっていると言った。
「アメリカは武器の供給を拒否していて、なのに、命令はできると思っている。支援すると約束したのに、われわれが溺れているのを見殺しにしている」
…「約束」ねえ。
だから、そういうことがトランプにバレると困るんでしょうが。
この司令官が、アルヌスラなのかどうかは知りませんが。
しかし、なんか、あれですよね、反政府軍というのと、アメリカの関係というのが、ものすごくシンプルだということがわかってきた。
「タダで武器をくれる相手」が、アメリカだったんですよ。 さらに、タダでくれる代わりに、「あれをしろ」とか「これをしろ」と言ってきた。
たぶん、ロシアのヘリを狙って撃ち落とせとか、そんなんも、怪しいな。
だからまあ、バレると、困りますよね。
とにかく、これで行くと、反乱軍と、アメリカの間には「タダで武器をくれる」という以外の「紐帯」みたいなものは、ないぽい。
ないからこそ、平気で「テロリストに転向しようかな」とか、そういう、とんでもないことが。

ジル・スタインの再集計の動きとの連動

まあ、私のカンですが、これなんかも、シリア情勢との関係でこうなったという部分も、あるのではないかなんて思いますね。
もちろん、スタイン本人は、「頼まれてやってるだけ」だから、そういうつもりではないでしょうが。
武器を寄越さなくなったわけですから、反政府軍は、危機感を感じ、不満がたまる。
だからそれは、「今はできない」ということで、再集計をやっているから、ちょっと待ってくれ、みたいな。
再集計でクリントンが勝てば、また武器を与えるから、と。
ですが、実際には、講和の話し合いをやっている間の、時間稼ぎですよね。
それらの反政府軍が、見捨てられたと思って暴れ出さないようにと。

「正義の戦い」から、「テロリスト」へのアクロバット転向?

「独裁者アサドを倒すための正義の戦い」から、なぜ「テロリストに転職」ができるのか。
…だから、要するに、傭兵化しているんですよ。
こういう、長く民兵をやっているような人たちは困るのは、「タダで武器をもらって、戦争をする」ということが、職業になってしまっていて、「ほかのことができない」「転職ができない」というところにある。
今さら、農業をやるとか、商売をやるとか、ほかのことをする気にならない。
だから、この人たちは、この戦いを、自分が死ぬまで永遠に続けるか、または、アサドを倒して、自分たちが政権を握り、正規軍の将校になるということしか、道はないんですよ。
なので、やめられない。
しかし、やめさせる方法はあって、それは、武器を与えないということ。
これまでは、アメリカがタダで武器をあげていたから、やめなかった。
それがなくなったら、別の「タダで武器をくれる相手」を探して、とにかく戦いを続けようと思っているんですね。
この人たちは、それしか、できないから。

一度傭兵化すると、なかなか潰しがきかない

日本の歴史でも、織田信長が、兵農分離をしたために、「戦争しかできない人」が、たくさんできたわけです。
その「ツケ」が来たのは、江戸時代の始めころで、だから、徳川家康は、基本的には役人として「転職」をさせた。
名目は、「戦争をする人」のままで、でも、やることは役人。
しかし、人数は減らされましたし、武士の数を減らすために、お家潰しも積極的にやりましたから、浪人がいっぱい出た。
その人たちは、帰農はできない。
まあ、「戦争をするための人」が、「別のことをする人になる」というのは、ものすごく大変なんです。
だから、中には、やっぱり、どうしても帰農ができなくて、武士の名前にしがみついて、攻め滅ぼされた人もいた。

かなりたくさんいるらしいので、この地域の前途は多難

とにかく、シリア(やイラク)には、そういう傭兵化してしまった悲しい人たちが、いっぱいいるらしいから、これは、大変なことだなあと思います。
どうするのか。
この人たちは、戦争しかできないし、戦争以外のことはやる気がないんですよ。
だからと言って、正規軍に雇い入れるというわけには、行くはずがありません。
なんかほかの、まともな仕事をしてもらうのが、一番いいんでしょうが、こういう人たちというのは、本当に、難しいらしいんですよね。「普通の仕事をする」というのは。