どうしてもアサド政権を倒したいのはなぜなのか

さて、アメリカその他が、どうしてもアサド政権を倒したいのはなぜなのか、これについては、前にも書いたんですが、ずっと不思議に思っていました。
「人権ガー」「アサドは独裁者で、ひどいヤツだから」
それは、「建前」ですよ。
本当にそう思っているならば、サウジもやらないとおかしい。
しかしですよ、サウジは、アメリカその他と一緒になって、「アサド辞めろ」とか「アサド死ね」と言っているんですよ笑。
変でしょ。
さらに、人権上最も問題があるのは、アメリカですよ。
そうでしょ。
原爆を落とした唯一の国、ベトナムと日本で枯葉剤を撒いた国、イラクを侵略して、知らん顔をしている国、ドローンで民間人を殺して、「なるべく殺さないように気を付けたい」と言って平然としている国、治外法権の場所に刑務所を作って、外国人を拉致して拷問をしている国、自国内では、黒人男性が、警官に殺されないようにと、いつも脅えている国。
だから、「人権ガー」「アサドは独裁者で、ひどいヤツだから」というのは、「建前」「口実」ということで、もう間違いはないんです。
なので、アメリカその他が、サウジと仲良くしながら「人権ガー」と言っている間は、それはまず「建前」なんじゃないかというふうに、疑ってみるべきなんです。
本当の理由は、ほかにあるんじゃないか、そういうふうに、考えてみるべきなんですね。
最近だと、フィリピンのドゥテルテが「人権ガー」で、潰されそうになりましたが、これだってそう。
本当は、アメリカやEUが、「フィリピン人犯罪者の人権」なんか、気にしているわけがないんですよ。
彼らは、気にしていません。
「どうでもいい」と思っている。
気にしているなら、「ほかの親米国の国民の人権」だって、気にしないといけないはずだけど、そうじゃないでしょ。
サウジでは、レイプされた女性が、告発をしたからというので、逆に罰されたりしている。
アメリカは、「そういうことはやめなさい」と言ったかって、言ってませんよ。
イスラエル軍が、パレスチナの大臣を殴り殺した、しかし、「人権ガー」と言っている国が、それに対して「やめなさい」とか「ひどい」とか、言ったかって、言ってませんよ。
「非白人の人権なんか、もともとどうでもいいから」ですよ。
日本の政権が、沖縄を差別していることも、そう。
どうでもいいし、アメリカの利益のためだから、どんどん弾圧して、沖縄県民の数を減らしたらいいと思っている。
西洋諸国の支配層というのは、「非白人は、なるべく数が減ってもらいたい」と思っているし、キリスト教徒でないならば、もっとです。
どんどん死ねばいいと思っているというのが、本音です。
だから、日本でオスプレイを飛ばす。
落ちても飛ばす。
安倍普三に命じて、地震列島の日本で、原発を死守させる。
日本人の数は、減ったほうがいいと思っていますからね。
まあそれが、西側エリートの本音なんですが、ここでびっくりしたり、めげてはいけない。
まずは、現実を認識すること、「人権ガー」と言っている人や国を、すぐに信用しないということ。
もちろん、信用してもいい人や国も、あるんですが、アメリカとアングロ5、そしてEU、ここの人たちが「人権ガー」と言い出したら、まず、疑ってかからねばなりません。
「この人たちは、本当に、非白人の人権を、気にしているのだろうか」ということを。
しているとしたら、「どこまでしてくれている」のか。
まあ、サウジとイスラエルを野放しにしている間は、「本当は人権なんかどうでもいい」と思っていると見れば、だいたい合っている。

ある分析

今回紹介するのは、Q&Aサイトの「Quora」の回答のひとつです。
なので、プロの人が、責任を持って提供しているものではないということ。
そういう前提で、見なければなりませんが、だからといって、必ずしも「見ても無駄だ」ということには、なりません。
どうしてもアサド政権を倒したいのは、なぜなのか。
ただし、これは、この回答者の意見であって、これを鵜呑みにしたらそれでいいというわけではない。
これはあくまでも、「自分の見方」と照らし合わせて、検証して、そのうえで必要なものを取り込んでいくということでなければ、いけません。
なんでもそうですが、ネット上の情報を「鵜呑みにする」というところから、間違いが始まる。
「真実」などというものは、そもそも、ネット上にはない。
それは、各個人が、探り当てて行くものであって、そして、探っても、100%の真実に巡り合うということは、まず、ありません。
必要なのは、「真実にどれだけ近い視点を持てるのか」ということで、そしてそれは、「誰々さんがこう言っていたから」とか、「誰々さんは、信用のできる人だから」ということでは、いけないのです。
「どうしてそうだと思うのか」ということについて、自分の言葉で、説明ができなければならない。
できないならば、それはまだ、自分の中で消化されていないし、消化されていないなら、取りあえずは疑問符をつけて、「未決の棚」に、上げておくべきものなのです。
そのうちに、ほかの情報を得ることでもって、「未決棚の中のもの」が、解決するということも、あるんですね。
本当かどうか、怪しいなと思って、疑問符をつけていたものについて、自分で説明ができるようになるということもある。
これは違ったとか、これはこういうことだろうとか、これはこうだったんだな、とか。
assad
Read Ed Winn's answer to Why does the US want to unseat Assad in Syria? on Quora
At the end of the day the reasons always are the same: money, geopolitics, sphere of influence and control.

結局のところ、「理由」というのは、常に同じだ:金、地勢的条件、影響力と支配力の及ぶ範囲

Syria supports Iran, Iran and Russia supports Syria and it undermines US dominance in the region.
Another reason why US want Assad to be gone is a gas pipeline from the Gulf States to the Europe, which Assad is opposed to.
Syria switched the primary hard currency it uses for foreign goods and services from the US dollar to the euro.

  • シリアはイランを支持している、イランとロシアはシリアを支持し、地域(訳者註:ここでは中東の意味)におけるアメリカの優越性を脅かす。
  • ほかの理由としては、湾岸諸国からEUへのガスパイプラインの供給だ。アサドは、これに反対している。
  • シリアはアメリカとの貿易の支払いに用いる主たる通貨を、USドルからユーロに変えた。
This is why ISIS in Syria. Created by the US, funded by Saudi Arabia and supported by Turkey.

これが、シリアにISISがいる理由だ。
(ISISは)アメリカによって創り出され、サウジが金を出して、トルコに支えられている。

ISIS basically a pet raised by the US (just like Taliban in Afghanistan) which gone out of control. If US would choose to eliminate ISIS for good it would take 30 days to do so, tops. But they not inclined to do it because ISIS fights Assad in Syria, which US want to be removed.

ISISは、基本的に、アメリカによってつくられて(ちょうどアフガニスタンのタリバンのように)、操縦不能になってしまったんだ。
もしもアメリカが、本当にISISを永久に滅ぼしたいと思えば、30日以内でできるんだ。 しかし彼らは、そういうことはしない、なぜならISISはアサド政権と戦っているからだ、アメリカが排除をしたがっているアサドと。

US official position on why Assad has to go:

Abuse of human rights
Genocide

アメリカ当局のアサド排除の理由は:
人権蹂躙
ジェノサイド(大量虐殺)

But if You would take a look at this matter from critical thinking point of view. Why US is ignorant to the same situation in South Sudan, Palestine, Niger, Chad, Yemen ?

しかし、この問題について、もっと厳しい目で見てみたらどうだい。
なぜアメリカは、南スーダンや、パレスチナや、ニジェールや、チャドや、イエメンには目をつぶっているんだい?

It’s obvious that the main objective here is not a humanitarian mission. US has a segregation system for the harmful terrorists and useful terrorists for evil regimes and appropriate regimes. Hence, it operates solely for it’s own interest to protect the petrodollar system and maintain the dominance in the region.

If Syria goes down in flames like Iraq, Iran is next on the target.

主に問題となっているのは、人権問題ではないということは、明らかだ。
アメリカは、悪意のある政権向けと、適切な政権向けに、害のあるテロリストと、役に立つテロリストを隔離するシステムを持っている。
だから、純粋に、オイルダラーシステムを保護するための、自分たちの利益のために、地域での支配を維持するために、使い分けているんだ。

もしもイラクみたいにシリアが倒れたら、次のターゲットはイランだ。
なるほど、イランが、アサド政権の維持に必死になるのは、そういう理由があるからと考えれば、腑に落ちる。
自分たちの生き残りのため、それが一番の理由。
そういえば、かつての大日本帝国が、朝鮮半島が侵略されたら、次は自分たちだと言って、だから、朝鮮半島の独立は、死守しなければならないと、必死になって、結局は、自分たちが朝鮮を侵略して蹂躙してしまったという、そういう歴史もありました。
まあ、規模の小さな国は、世界のどこでも、だいたい同じことを考えるものだ、と。

トランプの野望は、現実的ではないのでは

しかし、今回のアレッポ退避の件で、明らかになったように、ロシアからイランを切り離すというのは、もう、無理ではないのか。

Russia, Iran, Turkey Have No Secret Agenda on Syria - Deputy FM(Sputnik誌より)
会見するロシア・イラン・トルコの外相たち。中央が、この前訪日したラブロフ。
Triangle Allies
トランプは、イラン合意をやり直すと言っていますが、この野望は、かなり無理筋であるように見えるんですが、トランプというのは、どこまで外交がわかっているのか。
蔡英文さんの関係で、「アジア情勢にはまったく疎かった」ということが、バレてしまったんですが、中東情勢には、もう少し詳しいはずですけれども、それにしても、ロシアとイランの切り離しができるというふうに思うのは、どうしてなのか。
さらに、アレッポ退避後は、トルコがNATOから離脱するのではないかという噂が出てきたことと、ロシアが、もともとトルコに置いていた小さな海軍基地を、拡大するという話のほうは、決まったようです。
なので、トルコが脱アメリカ、脱EU、ロシア接近路線に舵を切ったということは、間違いないでしょう。
皮肉なことには、トルコの変節の直接の引き金となったのは、クーデターでエルドガン政権を倒されそうになったことで、これがもしも、トルコ側が主張するように、CIAの主導であったとしたならば、クーデターが失敗した以上は、CIAのチョンボであり、墓穴を掘ったという結果に。
7月の時点で、そういう余計なことをしなければ、今の時点で、トルコが、ここまで「脱」になっていた可能性は、低かったのではないか。
問題は、トランプが、自分と、国務長官のティラーソンの「交渉力」に、自信を持っているということと、その「自信」が、どの程度の「外交的知識」の裏付けのあるものなのか、そこらへんのことではないかという気がしますね。