いつまで続く中東のカオス

ロシア系のSputnik誌が、オバマ政権がシリアの反政府勢力への武器供給を継続すると決めたこと(過去記事:)を批判していますね。
On December 27, Russian Foreign Ministry Sergei Lavrov in a phone conversation with his US counterpart John Kerry said: "The decision to supply weapons to anti-government rebel forces in Syria risks resulting in a new escalation in Syria and new casualties in the conflict."

12月27日、ロシア外務相のセルゲイ・ラブロフは、アメリカのジョン・ケリーと電話で会談した「シリアの反政府勢力に武器の供給を続けるという決断は、シリアの新たなエスカレーションやさらなる負傷者という結果を招くリスクがある」

The same day, Russian Foreign Ministry spokesperson Maria Zakharova commented: "As for US arms supplies to Syria, we understand who will receive those weapons. And this is not the Syrian Army. Today you supply MANPADS to moderate rebels, tomorrow it turns out that they are terrorists. The same old story." Man-portable air defense systems (MANPADS) are a threat not only to Russian aviation operating in Syria. Someday, those weapons could be also used against US forces.

同じ日、ロシア外務相報道官のマリア・ザカロヴァはこのように述べた「アメリカのシリアへの武器供給については、われわれは、誰がその武器を受け取ることになるのかを、理解している。
そしてそれは、シリア軍ではない。
今日、穏健派の反政府勢力にMANPAD(携帯型対空ミサイル)を与えたら、明日には、彼らはテロリストになっている。
いつもと同じだ」
携帯型対空ミサイルは、ロシアの航空機への脅威であるのみならず、いつかは、米軍に対して使われる可能性もある。
manpad
そして、年が明けてすぐに、トルコとシリアとイラクでテロが発生しています。
本当に、こんなことが、いつまで続くのか、なぜ続くのか
中東の住民たちは、「普通の生活がしたい」というふうには、思っていないのか。

「中東をカオス状態にしておきたい」

ロシア側に言わせると、それは、こういうからくりだそうです。
Khrolenko suggested that the main reason behind this move is that the Democrats wants to return to the White House sooner, rather than later and the outgoing presidential administration wants to establish an atmosphere of chaos and instability in the Middle East for the coming years.

クロレンコは、この動きの背景にある主な理由は、民主党は、ホワイトハウスにすぐに戻るつもりであるということ、そして現在の政権は、来年も、中東に、カオスと不安定な雰囲気を作り上げたいということだと示唆した。

"It is possible that before Donald Trump’s inauguration on January 20, the US will try to deliver as many weapons as possible to the Middle East. Washington’s strategy in Syria proves that the US cannot control the so-called moderate opposition. Its strategy has been only to fuel the conflict," the author wrote.

「ドナルド・トランプの就任前に、アメリカは、できるだけたくさんの武器を中東に届けようとするだろう。ワシントンのシリア方針は、アメリカは穏健派と呼ばれる反政府勢力をコントロールできないということを証明している。アメリカの戦略は、ただ紛争に油を注ぐということなのである」

戦争をやることは、就職と同じ

"During the battle of Aleppo, they lost many commanders and fighters. They were forced to leave eastern Aleppo. But they are still well-equipped and capable. We can’t deny that," the minister said.

「アレッポの戦いでは、(テロリスト側は)多くの司令官や兵士を失った。
彼らは東アレッポから追い出された。
しかし彼らは、まだ、装備が充実しているし、戦える。
それは、否定できない」と、イラン防衛相は語った。

"I can’t rule out that the West will flood Syrian militants with money and weapons. Jihadists in Syria receive good salaries. For many of them, returning to normal life means getting back to poverty. Time passes by, terrorist groups change names and mottos, but their principles remain the same," Khrolenko wrote.

「西側が、シリアの民兵を金と武器まみれにするだろうという可能性は、否定できない。
シリアのジハディストは、給料をもらっている。
多くの者にとって、普通の生活に戻ることは、貧困生活に戻ることを意味する。
時が経てば、テロリストグループは名前を変え、モットーも変える、しかし彼らの基本理念は同じだ」とクロレンコ(ロシアのジャーナリスト)は綴った。

"Western weapons poison the Middle East with war and destruction. Many people get used to live there amid chaos and violence. In this inhuman distorted reality, children are born and many of them would sooner or later pick up a gun. The entire region of the Middle East and North Africa is turning into a global jihadi belt," the author added.

「西側の武器は、戦争と破壊で中東を毒している。
多くの人が、カオスと暴力の中で生きることに慣れる。
この非人道的な、歪んだ現実の中で、子供たちは生まれ、そして多くの者が、いずれは銃を手に取る。
中東と北アフリカの地域全体が、グローバルジハードベルトと化しているのだ」と、筆者は付け加えた。
アルヌスラのメンバーたち
アルヌスラのメンバーたち
非常に語り切っているというか、「どうしてこんな異常な状態が続くのか」ということを、説明 しきっている。
西側の国が、金や物資を与えて、戦争ができるような状況を整えてくれるから、やめないんだ、と。
だから、このクロレンコという人が「戦争をして給料をもらうか、貧乏生活に戻るかの2択なんだ」と言っていますが、現地の人たちにとっては、たぶん「3択」なんだろうと、私は思うんですね。
3択。
それは、中東や北アフリカの「裕福ではない家」に、男として生まれてしまったならば、取りあえずは
  1. 死ぬかもしれないけど、戦争をやって、給料をもらう
  2. 黙って貧乏生活に耐える
  3. 難民として、西洋諸国の福祉の厚い国へ入り込む
の、3択だろうと思うんです。
そして、3をやらない人の中で、シリアやイラクあたりに生まれたという場合には、1をやって、太く短い人生を生きることを選ぶという人たちが、後を絶たない。
それは、1ができるような状況が整っているからですね。
「お膳立て」が、できている。どうぞ、と。

太く短く

「短い」んだから、「太くする」ことのほうを、重視するに決まっていますよね。
どういう意味かというと、どうせ若いうちに死ぬんだから、なるたけいい思いをしてやろう、そういう発想になってくるのが、普通だということです。
アレッポを占領していた反政府軍も、食糧や医療品などの物資を独占していて、市民が飢えても、なんとも思っていなかったと。
「どうしても食べ物を分けてもらいたい」と言って頼みに来た女性を、その場で撃ち殺したという話もあります。
そういうふうになるのは、長生きができないとわかっているから、だから、生きているうちは、なるべく太く生きよう、勝手なことをしてやろうと、思うから。

3→1という転向のパターン化

そして、アニス・アムリみたいに、最初は3をやろうとしていて、結局は1で終わったような人も、いるわけです。
実は、ニースのトラックテロ犯のチュニジア人の男も、同じですね。
そういうふうに、3をやった人が、どうしてもうまく行かなくて、1で終わるということが、あり、その場合に、もともと「1になりなさい」と言って、それができるような状況を提供している西側の国が、「なんてことだ」とか、「どうしてこんなことに」とか言って、大騒ぎをしている。
「恨まれる筋合いなど、ないのに」とか、「イスラム教の教えそのものに問題があるんだ」とか。
悪いのは誰で、そして、誰がどれくらい悪いことになるのか、もう、誰にもはっきりとはわからない、まあ、本当に、そういう話だと思います。