「イスラエル嫌いのユダヤ人」を憂えるイスラエルのユダヤ人

エルサレムポストというのは、たぶん最も有名な、イスラエルの右翼サイトなんですが、昨年8月あたりに、興味深い記事があったようです。
なぜ反イスラエルのユダヤ人がいるのか? Why are there anti-Israel Jews?

イスラエルのユダヤ人たちが、アメリカに移住したユダヤ人の中に「アンチイスラエルがいる」と言っているんですね。
ここで挙げられているのは、
  1. バーニー・サンダース
  2. ジョージ・ソロス
  3. ノーム・チョムスキー
あらら、これは、もしかすると、アメリカで最も有名なユダヤ人3人と言ってもいいのではないのか。その人たちが、みんな、アンチイスラエルだと?
ほかにも、クリントン側近のシドニーとマックスのブルーメンタール兄弟も、「アンチイスラエルだ」と、名指しされています。
…へー。
まあこれは…イスラエルのユダヤ人たちから見たら「そうだ」という意味であって、あくまでも彼らの「主観」ということであって、私のように、ユダヤ人とは無関係な人から見ると、ぜんぜんそうは思えないんですが。
ともかく、イスラエルのユダヤ人たちというのは、ちょっとでもイスラエルに否定的なことを言ったりしたりするユダヤ人は、ユダヤ人でも、アンチイスラエル認定をするということに、なっているみたいですね。

ハタから見れば、内輪もめ

まあ、私から見ると、「内輪もめ」なんです。
彼らは、どっちも、「ユダヤ人が仕切る世界」「ユダヤ人が繁栄する世界」というものを、否定していないし、アンチだと言われている側の人たちの「行動」というのは、そもそも「そのため」のものというふうに、私には見える。

サンダース、ソロス、チョムスキーに共通することは、全員がホロコーストで身内を殺されて、逃げた人たちか、その子供だということですね。
そうなると、たぶん、今のイスラエルの若いユダヤ人よりも、「ホロコーストの意味とか恐怖」というものを、深く感じている、認識をしている。
前に、サンダースの関係で書いたことがありますが、こういう人たちのほうが、イスラエルにいる若い右翼的なユダヤ人よりも、「二度とユダヤ排斥をさせてはならない」という気持ちが強いということは、たぶん言えると思います。
だから、扱いに困って、「自己嫌悪なんじゃないか」とか、そういうふうに言われていますが、私から見ると、ぜんぜんそうではない笑。
彼らは、「ユダヤ人全体の利益」のために、せっせと「何かをしている」ようにしか、見えないですよね。
特にソロスについては、「アンチイスラエル活動」が顕著だと指摘されているんですが、これは、イスラエルのユダヤ人から見ると、「イスラエルと敵対する勢力に資金援助をしている」という、まずはここに尽きるようですね。
だから、アンチイスラエルだと。
しかし、黒人でイスラム教徒のキース・エリソンを、次期民主党党首に推しているというところから見ると、ソロスの「目的」というのは、ものすごく明白なような気がしてきたんですね。
これは、アンチイスラエルでは、ぜんぜんないではないか、と。
ソロスは、「ユダヤ人が栄える世界」というものを、何よりも重視していて、その結果が「キース・エリソン」なのだとしたら、答えはひとつしかないと思う。
soros
それは、基本的にはサンダースと同じで、「アメリカ国内で、深刻な反ユダヤ感情を起こさせないため」でしょう。
黒人のイスラム教徒だったら、保守的な白人に嫌われるのは、当たり前です。
そうなれば、どうなるかというと、実際には、ずっと前からユダヤ人に占拠されている民主党のカムフラージュになる、「ユダヤ人への反感から目をそらさせる」ということに、なるわけです。
最近のユダヤ人への反感というのは、ユダヤ人ばかりが金を持ちすぎている、世界を支配している、そのことに対して、ですね。
だから、ネットでは、ユダヤ陰謀論とかが、ものすごく普通に展開しているし、私だって、どこからどこまでが本当か、そうじゃないのか、よくわからないので、陰謀論には、あまり付き合わないようにしているんですが。
ともかく、ソロスなり、サンダースなり、チョムスキーという、こういう、ホロコーストの経験者というのは、欧州での「アンチユダヤ感情」というものの恐ろしさを、ものすごくよく知っているから、二度と繰り返してはならないと、思っている。
しかし、サンダースはともかく、ソロスの場合なんかを見ると、それは、自分で言っているような「博愛主義」から出たものというふうには、私には見えない笑。
だってソロスは、オバマに、戦争をさせていますし、中東を滅茶苦茶にさせて、ドローンまで使わせて、その「路線」を引き継ぐ人間(クリントン)に、どうしても後を継がせようとして、お金を出していたわけです。
そして、これからも、「それ」を続けたいと、思っているんですよ。
オバマの最近の行動を見ると、全部そうですから。
だから、「ユダヤ人だけが栄えたい」というのが、ソロスの本音としか、思えないんですよね。
やっていることは、ユダヤ人だけが栄えるために、「イスラム教徒全体を弱体化させ、中東を破壊する」ということなんですが、いっぽうでは、そのために、「ユダヤ人が憎まれてはならない」ということで、バランスを取っているというのが、「ソロスのやっていること」ではないのか。
イスラエルに敵対する組織に金を出すとか、オバマに命じて国連でイスラエル非難決議をさせるとか、または、あまりにも右翼的で、反ユダヤ感情をますますかきたてそうなネタニエフの首をすげかえるとか、ではないのか。

濃すぎてメマイがするが、こっちのほうが交渉可能なのでは

israel
イスラエルのユダヤ人は、こういう↓ことを普通に言うので、こっちは、げんなりしてしまうんですが、しかしですよ、ひょっとすると、イスラエルのユダヤ人のほうが、ソロスのような人たちよりも、交渉可能ではないのかと、ふと、思ったりするんですね。
I can understand where the criticism of Soros and other Israel-hating Jews comes from. Like me, they feel that Israel’s current conduct is detrimental to the world. But when it comes to the solution, we are on opposite ends from one another. Israel haters judge it by its policies and determine that since they disagree with them, Israel should not exist. By bashing it, they distance themselves from the evil and present themselves as working for the benefit of humanity.

ソロスや、ほかのイスラエルを憎んでいるユダヤ人たちからの批判が、どこから来るのか、私は理解している、私と同じように、彼らは、最近のイスラエルのすることが、世界にとって有害だと思っている。
しかし、解決法については、われわれは意見が合わない。
イスラエルヘイターたちは、もともと同意をしていないそのポリシーで評価する、イスラエルは存在してはならないということだ(訳者註:ここのセンテンスは意味が取りにくい)。
(イスラエルを)バッシングし、彼らは彼ら自身を悪魔から遠ざけると同時に、人道に益するという彼ら自身の目的からも遠ざける。

I, on the other hand, relying on the wisdom of our sages, value Israel only according to the level of our unity. According to what I learned, our only fault is our disunity. Israel is detrimental to the world only because we, Israelis and Jews, don’t know the true role of Israel.

私は、彼らとは違って、知恵と賢人たちを信じる、イスラエルを、われわれの団結の程度で評価する。
私が学んだ内容によれば、われわれのたったひとつの間違いは団結が足りないことだ。
イスラエルのイスラエル人とユダヤ人が、イスラエルの本当の役割を理解しないという場合にのみ、イスラエルは世界にとって有害だ。

The vocation of the Jewish people has not changed since its inception. We are still the ones who must unite “as one man with one heart,” learn to love our neighbors as ourselves, and thereby become “a light unto nations.” But we cannot become that example unless we are given the physical conditions to recreate that unity. That physical condition is the State of Israel.

ユダヤ人の召命は、その起源のころからずっと変わらない。
われわれは、変わらず「ひとつの心を持つ一人の人間」のように、自分を愛するのと同じように隣人を愛することを学び、それによって「国々を照らす光」となる。
しかし、肉体的に団結のできる条件がなければ、そうなることができない。
その肉体的な条件こそが、イスラエル国なのである。

We did not return to Israel for our own sake. We came here to do a task we owe the world. Only if we work on our cohesion and mutual responsibility, and build our society accordingly, the world will deem our presence here as legitimate and will stop demonizing us.

われわれは、自分たちのためにイスラエルに戻ったのではない。
われわれは、世界のための使命を全うするために来たのだ。
われわれが団結し、互いに責任を持って協力し合い、われわれの社会を築けば、世界はわれわれの存在を正当なものだとして、われわれを貶めることをやめるだろう。

Even if at first it will be hard to cover our centuries-old alienation from each other with love, our efforts to achieve this will be viewed with favor. Every Jew, from Israel lovers to Israel bashers, must take part in reinstating the spirit of the Jewish people, the spirit of mercy and love. The world hates us because we hate each other. Let’s simply stop.

もしも、互いの間の(たぶん、イスラエルのユダヤ人と、ほかの国に移住したユダヤ人のことを言っている)100年ごしの疎外をすぐに修復することが難しいとしても、われわれの努力は、好意的に見られるだろう。
イスラエルが好きでも嫌いでも、すべてのユダヤ人が、ユダヤ人魂を、慈悲と愛の精神を再構築するために、役割を担うべきである。
世界はわれわれを憎んでいる、なぜならわれわれは(たぶん、イスラエルのユダヤ人と、ほかの国に移住したユダヤ人のことを言っている)互いに憎み合っているからだ。
(だから憎み合うのは)もうやめよう。
…まー、ものすごい濃いというか、ユダヤ人でなければ、こういう濃いものを見ると、最初はドン引きしてしまうのが普通ではないかと思います。
まあ、私もドン引きはするけれど、そして実は、ここに引用した部分よりも、もっと濃くて宗教的なことが書いてある部分も、あるんですが。
まああれかな、ちょっと北朝鮮ぽい雰囲気も、濃厚というか。
とにかく、イスラエルの人たちというのは、ドシリアスなようである。
だから、からかったり、冗談を言ったりは、しないほうがいいような気がする。
まああれですよね、「ユダヤ人には使命が」とか言われても、そもそも、そういう考え方をやめてもらいたいんだとか、ユダヤ人は、別に特別じゃないとか、そういう話であって、だから私は、ときどき、そういうふうな投稿を、アメリカのメジャーなサイトにしてみたりすることもあるんですが、何も反応は返ってきたことはない。
そもそも、イスラエルアゲをやっているサイトで、親ユダヤ投稿者がいっぱいいるようなところでも、です。
「キミたちは、別に特別じゃない」などと、「言えばわかってくれる」とか、そういう問題ではないみたい。
「今は、イスラエルは、世界じゅうから嫌われている」という「認識」はあるようなんですが、「愛で団結すれば、世界から嫌われなくなる」とか言っているので、ほとんど「普通の会話」とかは、不可能なのではないかという気がする。
しかし、やはり、ソロスのような人よりも、こっちの人たちのほうが「交渉可能ではないか」という気はするんですね。
たぶん、そうだと思う。
ネタニエフは冷血な人殺しですが、たぶん、ソロスよりも、ネタニエフのほうが、交渉可能だろうと、私は思う。

再燃するアンチユダヤを懸念していたソロス

そして、ソロスが、「表向き」には、私が予想していたようなことを、実際に言っていたということが、あったらしいんですね。
Soros Says Jews And Israel Cause Anti-Semitism
これは、5年前に書かれたもののようですが、NYで行われたユダヤ関係者の資金集めの会合で、ソロスがしゃべったときの記録らしい。
(太字引用者)

When asked about anti-Semitism in Europe, Soros, who is Jewish, said European anti-Semitism is the result of the policies of Israel and the United States.

欧州でのアンチユダヤについて聞かれると、ユダヤ人であるソロスは、欧州のアンチユダヤは、イスラエルとアメリカの政策の結果だと言った。

"There is a resurgence of anti-Semitism in Europe. The policies of the Bush administration and the Sharon administration contribute to that," Soros said. "It's not specifically anti-Semitism, but it does manifest itself in anti-Semitism as well. I'm critical of those policies."

「欧州では、アンチユダヤの再燃が見られる。ブッシュ政権とシャロン政権のせいだ」とソロスは言った。
「アンチユダヤに特化しているわけではないが、アンチユダヤもはっきりと含まれる。私はそれらの政策(訳者註:ブッシュ政権とシャロン政権のことを言っていると思われる)に対し、批判的だ」

"If we change that direction, then anti-Semitism also will diminish," he said. "I can't see how one could confront it directly."

「もしもわれわれが方向性を変えれば、アンチユダヤもおさまるだろう」と彼は言った。
「(アンチユダヤ感情と)直接対決をすることはできない」
"I'm also very concerned about my own role because the new anti-Semitism holds that the Jews rule the world," said Soros, whose projects and funding have influenced governments and promoted various political causes around the world.

「さらに私は、自分が果たす役割について、非常に懸念している、なぜなら新しいアンチユダヤの動きは、『ユダヤ人が世界を支配している』と言っているからだ」と、政府に影響を及ぼすようなプロジェクトは資金を運営し、世界中でいろいろな政治活動を推進しているソロスは言った。

"As an unintended consequence of my actions," he said, "I also contribute to that image."

「私の活動による想定外の結果でもって」と彼は言った「私は、そういうイメージ(訳者註:ユダヤ人が世界を仕切っているイメージのこと)に寄与してしまっている」
「イスラエルが嫌われるのは、自業自得である」的なことを言ったので、もうこれだけで「ユダヤ人だけどアンチイスラエル」というわけですね。
…ソロスは、自分が金持ちになりすぎて、その金を使っていろいろやりすぎたせいで、ユダヤ人が世界を仕切っていると言われて、嫌われることに一役買ってしまったのではないかと思い、そして「バランスを取ろうとしていた」というのが、5年くらい前の時点の話だったようなんですね。となると、最近の国連決議なんかも、ソロスの指示だろうなあということで、非常にうなずける。
ただまあ、庶民からすれば、アホらしい話というか、「金がありすぎて、嫌われてしまったから、なんとかしたい」とか、冗談も休み休み言ってもらいたいというかですよ、だったら、持ちすぎている金をどっかに寄付して減らして、そして金儲けをやめればいいという、そういう話じゃないんですか。
この人は、こういうことを言いつつ、最近でも、アベノミクスにも便乗して、大儲けをしたという話がありますが、結局は、濡れ手で粟の金儲けをやめるつもりは、ないわけですよ。
すると、「ユダヤ人が世界を支配している」という話は、そんなに間違いじゃない。
ロスチャイルドとか、結局は、ユダヤ人は、金儲けがやたらに上手いということは、間違いはない。
金儲けが上手いから、どんどん儲けてしまいました、まあそれは、それでいいけれど、その金で、「ユダヤ人だけがトクをするような世界」にしようとするから、嫌われる…という話。
ソロスのような人は、もっと悪くて、表向きは「博愛主義者です」と言いながら、「ユダヤ人だけがトクをしつつ、さらに嫌われないようにしたい」という話なんで、それのどこがアンチイスラエルなのか、私にはわからないけれど、とにかく、イスラエルのユダヤ人右翼からは、敵視されているし、それは「愛と団結が足りないからだ」と、力まれているという、そういう、ちょっと笑える話みたいなのだった。