世界では、「壁」がトレンド?

さて、最近は、どこでも「壁」がトレンドなのか…。
壁の「ご本家」と言えば、もちろん中国なんですが、最近では、トランプが、メキシコとの間にグレートウォールを予定、現在、「費用の負担」関係で絶賛トラブル中、さらに、イギリスは、EU離脱投票後には、フランスとの間に壁を築き(正確にはフランス側の土地だけど)、さらにマリーヌ・ル・ペンは、大統領になったら、EUを離脱し、スペインとの間に壁を築くと言っていたような気がする。
そして、トルコも、シリアやイラクとの間にグレートウォールを並べているという。
Turkey hosts some 3 million Syrian refugees, more than any other country in the world. The country has spent around $25 billion helping and sheltering refugees since the beginning of the Syrian civil war.
wall
すでに昨年から、シリアとイラクの両方との国境に、グレートな壁を作っているそうなんですが、最近また、シリアとの国境沿い、特にクルド人居住地との境らへんにも、建て始めたらしい。

テロリスト対策

トルコとシリアの国境というのは、全部で、だいたい900kmもの長さがあるそうなんですね。
そして、この記事で言っているのは、イラクとのぶんも合わせて、330kmぶんは「できた」というんですが、なので、シリアのほうだけだと、どれくらいになっているのかは、不明。
しかし…全部で900kmもあるんだったら、現状では、3分の1も行っていないのではないか。
トルコは、さらにシリアとの間には、119kmぶんを追加するということです。
トルコ側の説明によると、これは、シリアのテロリストと合流するために、ほかの国からトルコに入ってくるならず者を減らすため…というのが、表向きのようで、確かに、これまでは、それが言われていて、実際に、トルコ経由でシリアに入国して、テロ活動というか、戦争に参加するというならず者が、多かったと言われている。
昨年8月から12月までだけでも、68の国から、そういう人たちが集まってきたとしていますが…そんなにか…その数というのは、たぶん「捕まえた人」だけでしょうから、実際には、もっといるはず。
トルコ政府によれば、壁の建設後は、それらの数がぐっと減ったと言っているんですが…しかし…今は、事情が違ってきたんじゃないのか。
トルコが、昨年12月に、シリアの反政府勢力への支援をやめることを決断して、停戦を仲介した直後に、トルコ国内でのテロが連発。
特に、ナイトクラブの件は、シリアからトルコに入国した犯人によるものでしたから、今では「逆」の目的ではないのか。
どっちかと言えば、シリアにテロリストを入れさせないためというよりは、シリア側(やイラク側)から、トルコ国内に入ってきて、テロをやる勢力を締め出したいと。
あと、できれば難民も、減らしたいと。
…だと思うけどなあ。

難民対策

この記事では、難民のことも言われていますね。
Turkey hosts some 3 million Syrian refugees, more than any other country in the world. The country has spent around $25 billion helping and sheltering refugees since the beginning of the Syrian civil war.

トルコは、300万人のシリア難民を受け入れた。ほかのどの国よりも多い。
トルコは、シリア内戦以来、難民たちのために、250億ドルを費やしている。
シリアのもともとの人口は、2200万人くらいだったと言われていて、少なくとも、そのうちの300万人が出て行っているということは、10人に1人以上が「シリアから出て行っている」ということで、これは、すごい割り合いだと思いますね。
さらに、トルコに行った人だけではないから、実際には、もっと出て行っているから、人口が減っている割り合いは、ハンパではないような気がする。
…しかし、「戦闘をやる人」は、ぜんぜん減っていないようなんですよね。
殺しても、減ってるぽくはない。
ISISを何人殺しましたとか、そういうのは、アメリカも、トルコも、ロシア側も、しょっちゅう言っていますが、そのわりには、まだまだまだまだ「民間戦闘員がいる」んですよ。
シリア国内に。
どうしてなのか、本当に不思議なんですが、「人口」はかなり減っているはずなのに、「戦争をする人」は、殺しても殺しても減らないとか、それは、なんなの。
シリア全体で、どれくらいの数の「民兵」がいるのか、わからないんですが、ざっくり言っても、数十万人は、いるはずだと思う。
お金があるから、そうなるんですね。前にも言いましたが、ISISも含め、シリアの民兵というのは、「給料制」らしいんで。
そうなると、シリアの正規軍の実働部隊の人数よりも、かなり多いということになるらしいんです。どっかで見ましたが、それが、アサド政府が「なかなか勝てない原因」だと、プーチンが言っていたらしい。
人数で負けているから、同時にいろんな場所に行けないと。
こっちを対処すれば、あっちで暴れられ、あっちへ行けば、こっちが盛り返しとか、そういうのの繰り返しだから、何年間も勝てないと。
まあ、政府軍よりもたくさんの「民兵」がいるような国は、それだけで、異常ですよね。
普通の人がどんどん出て行って、「戦闘をやる人」は、ぜんぜん減らなくて、正規軍の数よりも多くなっているとか。
だから、そういう状態になったという時点で、アサド政権というのは、もう死に体なんです。
アサド政権というのは、もうとっくに、ゾンビ状態なんですよね。
しかし、ロシア側の思惑も、いろいろあったから、アサドが滅びないように、ロシアが後ろからつっかい棒をして、支えているというだけの話。

われわれが気前が良すぎるのか、欧州人がケチケチしすぎなのか

…お金の話と言えば、トルコがEUから大金をもらった件は、欧州では、今でも恨まれているんですが、それは…
EU-Turkey relations - Wikipedia
Financial aid: The EU is to speed up the allocation of €3bn ($3.3 bn; £2.3 bn) in aid to Turkey to help migrants.
ということなんで、33億ドルくらいであり、そうなると、本当に250億ドルを使ったのであれば、とても割に合わないことになる。
ちなみに、33億ドルだったら、ざっくり3300億円とかだから、安倍普三がドゥテルテを買収するために差し出した1兆円の半分にもならない。
でも、欧州の人は、この金のせいで、エルドガンをものすごく嫌っているんですよね。
だから…私たちって、ものすごい太っ腹だと思いませんか。
移民を引き受けてもらうために、EU全体で3300億円払ったことを、ねちねち恨んでいるドイツ人とかと、なんの見返りもないのに、1兆円を差し出して、文句も言わない日本人。
まっ、この件について、あんまり突っ込んで考えると、精神衛生上、よくないので、考えないようにするしかない。

イラクのクルド人自治区では

いっぽう、例の「イラクのクルド人自治区用のメディア」でも、この件には注目しているようです。
Turkey builds wall with Kurdish-held town of Tel Abyad
ウォールのサイズも書いてある。
1ピースが、縦4m、横2mなんだって。

今回の建設がされているクルド人居住区のTell Abyad
abyad
いつものように、アメリカへのヨイショと、トルコへの嫌味も、忘れないようです。
The US long complained of a lack of a Turkish effort to stop the flow of foreign Islamist fighters from around the world into Syria to topple the regime of the President Bashar al-Assad.

アメリカは、トルコが、外国のイスラム戦闘員がアサド政権転覆のためにシリアに入国することを阻止するための努力が足りないと言って、長い間不満を言っていた。

Concrete blocks in Tel Abyad are a part of a wall whose construction began in early 2015, stretching along all the Turkish-Syrian border.

Tel Abyadへのコンクリートブロックは、2015年初頭に始まったトルコとシリア国境の建設の続きである。

When finished, the wall would cost 2 billion Turkish Lira (USD$528 million), according to a September 2016 Hurriyet newspaper report.

2016年のハリエットニュース誌の報道によると、これが完成したら、壁のコストは528百万ドルになるという。
…ここのサイトは、見ていると、本当に面白いんですが、アメリカヨイショと、トルコへの嫌味というのが、独特なんですね。
「エルドガンのアホー!」と「絶叫する」とか、そういうのではないんです。
アメリカとの仲の良さを自慢するとか、アメリカヨイショをやって、そのあと、最後とかに、ねちっとトルコへの嫌味を言う、そういう感じ。
なんか、非常に、興味深いですね。
そういうのが、民族性なのかな、みたいな。