「フランス人はホロコーストに責任はない」

さて、フランスの大統領になるのかならないのか、まだよくわからない、フランス最右翼の国民戦線を率いるマリーヌ・ル・ペンなんですが。
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Marine Le Pen: France not responsible for deporting Jews to Nazi death camps | The Independent
「フランス人は、ホロコーストに責任はない」、みたいなことを言ったらしくて、ちょっと話題になっている。
Far-right leader Marine Le Pen has denied France was responsible for rounding up more than 13,000 Jews at a Paris cycle track to be sent to Nazi death camps during the Holocaust.

France’s responsibility for the Vel' d'Hiv Round-up has been admitted by both former President Jacques Chirac and current leader Francois Hollande, after decades of the state denying it was at fault.

Ms Le Pen told French broadcaster LCI on Sunday: “I don't think France is responsible for the Vel d'Hiv.”

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She added: “I think that generally speaking if there are people responsible, it's those who were in power at the time. It's not France.”

The leader of the National Front said children in France had been taught “reasons to criticise (the country), and to only see, perhaps, the darkest aspects of our history".

She continued: “So, I want them to be proud of being French again.”

The Vel' d'Hiv Round-up refers to the mass arrest of Jews in Paris by the French police on 16 and 17 July 1942.

極右リーダーのマリーヌ・ル・ペンは、ホロコーストの期間中に、フランスがパリのサイクルトラックで13,000人以上のユダヤ人を収容して、ナチの死の収容所へ送ったことについて、責任がないと否定した。

Vel' d'Hivの一斉ユダヤ人狩りの責任については、20年ほどの否定のあとに、元大統領のシラクや、現在のリーダーフランソワ・オランドが認めている。

ル・ペンは、日曜日に、フランスのTVのLCIに「私は、ユダヤ人の一斉狩りに、フランスが責任があるとは思わない」と述べた。

マリーヌ・ル・ペンは、フランスの選挙ではまだ勝っていると、専門家は見ている。

彼女はこう付け加えた「私は、常識的に考えて、責任のある人がいるとしたら、それは、当時の為政者たちだと思う。フランスではない」

国民戦線のリーダーは、フランスの子供たちは、「批判をされる理由と、自分の国の暗い歴史だけを教えられている」と述べた。

「だから、子供たちに、フランス人であることを誇りに思ってほしいの」

Vel' d'Hivとは、1942年の7月16日と17日の、ユダヤ人一斉検挙を指す。

ふむ、ドイツ人なんかも、そうみたいですが、「あまりにも罪の意識を叩きこまれ過ぎて、嫌になった」とか、だから、ドイツ人をやっていることに耐えられなくなって、アメリカに帰化した人、とか。いるんですよね。
まあ、戦後の欧州での「ナチズムの否定」というのは、ものすごく徹底していたらしいので、日本人には、想像もつかないことなんですが。
だってほら、ウチは、一番の責任者が、裁判にもかけられないで、生き残って、さらに「家の存続」まで許されたじゃないですか。
カルト戦争神社は、そのまま残されたしね。
だから、「やったことは、全部マチガイだった」とか、言えるわけがない。
泥棒も、強姦も、拷問も、殺人も、やるにはやったけど、マチガイではなかった、と。
当時は、今と違って、戦後生まれの人ばっかりではないわけだから、みんなが「うすうす知ってた」わけなので、そういうことをしたということは、全員が承知していたんですよ。
みんな、わかってた。
宮崎駿なんかも、子供だったけど、大人たちが、相当に悪いことをしたらしいと、気がついていたと、エッセイに書いていましたね。

ル・ペンは、確信的なポピュリスト

ともかく、ル・ペンという人は、どうやら、トランプ以上にポピュリストのようですね。
トランプは、ポピュリストでも、最近になるまでは、やっていたことは、そんなに大きく間違ってはいなかった。
ル・ペンという人は、トランプの選挙期間中の後半に、「トランプ支持」を公式に表明していたんですよね。
私は、これは、トランプにとっては、よくないな、と思っていた。
トランプが、選挙期間中にポピュリズムをやっていた理由と、ル・ペンがやっている理由は、違うからです。
ともかく、ル・ペンがこういうことを言っていると、どうも、「日本の特殊愛国者たち」は、元気づきそうですよね笑。
フランス人でも、言ってるじゃないか、と。
えっとね、フランス人とかドイツ人というのは、もともと、戦後は、徹底して「罪の意識」を、植え付けられてきたわけ。
二度とそういうことをしないように、ですね。
あとはまあ、アメリカが威張るための口実として、でもあったけど。
日本の場合は、誰も罪の意識なんか、持ってないでしょ。
実際に大陸で犯罪をやらかした人でも、帰ってきて、刑務所にも入らず、そのまま暮らした人も、いっぱいいるでしょ。
そして、みんなで、原爆の被害を嘆いているうちに、「悪いことなんか、していたような気がしない」という、ひどい状態に。
まっそして、安倍普三みたいな、A級戦犯の孫が、2回も首相になるという、最悪のところまで来ているわけですよ。

中国人と仲良くしてさえいれば、あとは何も問題はないのに

それにしても、フランスの右翼も、日本の右翼も、そうですけど、私は、不思議で仕方がない。
戦後世代であるならば、もともと、責められる理由はないんですよ。
だから、被害国の人たちと、「本当に、ひどい話ですよね、二度とああいうことはあってはならない」と言って、仲良くしていれば、それでいいという話。
「おまえがやった」というふうに、責められるということは、ないんだから。
ないんだから、わざわざ「誇りに思うために、過去を否定する」とか、そういうことをする必要はないと思うんですよね。
日本の場合だったら、とにかく、とにかく、とにかく中国の人たちと仲良くしている間は、誰からも責められる筋合いはないんです。
大日本帝国が、一番ひどい目に遭わせたのは、中国人なんですから、その人たちが、日本の戦後世代と仲良くしてくれたら、あとはもう、朝鮮半島の人たちは、それほど責める筋合いがなくなる。
もしも、中国人が「問題はない」と言っているなら、立場的には、そういうことになるわけです。
もちろん、われわれ日本人が、「中国の人が納得するような態度」を取って、適切な歴史教育をしているという前提で、ですよ。
そうしたら、中国よりもひどい目に遭っている国がない以上は、大丈夫なのよ。
しかも、中国は、イスラエルのように、PTSDで発狂して、何をするかわからなくなっているわけではなく、まともだし、寛容な国です。
本当にねえ、だから、ウチの場合は、フランスとかドイツよりも、よっぼど恵まれているのに。

「○○人であることの誇り」を、どう教えるか

「○○人であることの誇り」というのは、フランス人でも、ドイツ人でも、日本人でも、そうでしょうが、一番には、「戦争被害国の人たちから、認めてもらうこと」ですよ。
フランス人は、「自分たちも被害者だ」というふうにしているけど、実は、そうでもなかったわけだから。
だから、○○人であるだけで、何かが誇れるとしたら、それは、被害国なり、被害者やその子孫たちから、「ひどいヤツらだと思っていたが、今は、なかなかマトモになったじゃないか」と、言ってもらえたことに対して、です。
そういうふうに、認めてもらったときに、それが「誇り」になる。
自分で「○○人であることを、誇りに思っている」と宣言したから、誇れるというわけではない。
そういうことを子供に教えて、どうするんですかねえ。
「おまえはフランス人だから、偉いんだ、リッパなんだ」とか。
そもそも、「そういう考え方」こそが、大日本帝国や、ナチスドイツの侵略につながったわけなんですが。