トランプはなぜ降伏したのか

前からしばしば紹介しているカナダの独立系サイトのGlobal Reearch誌ですが、わりとわかりやすい「トランプ降伏のまとめ」を書いてくれているので、要点をかいつまんで、触れてみたいと思います。
原文を読みたい人は、リンク先へ。
What the U.S. Aristocracy are Demanding: “Donald Trump has Reversed his National Security Policies 180 Degrees” | Global Research - Centre for Research on Globalization
usa
記事タイトルは、

What the U.S. Aristocracy are Demanding: “Donald Trump has Reversed his National Security Policies 180 Degrees”

アメリカの特権階級が要求しているもの:「ドナルド・トランプは、彼の安全保障政策を180度転換した」

筆者は、Eric Zuesseという人です。

特権階級の支持を得るため

Donald Trump has reversed his national-security policies 180 degrees, and is now focusing it around conquering Russia, instead of around reducing the threat from jihadists. The reason for this drastic change is in order for him to be able to win the support of the U.S. aristocracy

ドナルド・トランプは、彼の安全保障政策を180度転換した、そして今や、ジハディストの脅威を減ずることよりも、ロシアを打ち負かすことにフォーカスしている。 このドラスティックな変化は、トランプがアメリカの特権階級からの支持を得るためだった
まず、こういうふうに書いていますね。
アメリカの特権階級は、もともと、ヒラリー・クリントンを推していたのだけれども、トランプが勝った、しかし、だからと言って、特権階級のほうから、トランプに取り入ろうとするとか、そういうことではなかったと。
逆に、トランプのほうが、自分たちに合わせなければならないということで、メディアを使って、ガンガンdisった。
特に、ロシアとの関係をしつこく言われた「ロシアゲート」が、やはり、トランプにとっては、最もこたえた、持ちこたえることができなくなった主な原因でしょう。
アメリカ人の「ロシアアレルギー」というのは、すごいものがあります。
そことの関係を、しつこく言われて、これではもたないと思って、根を上げた。
ちなみに、軍のほうからも、徹底して抵抗されたらしいんですが、それはまた、別の記事で紹介する機会があれば、紹介します。
After Trump ditched his National Security Advisor Mike Flynn (whom Obama had fired for not being sufficiently anti-Russian, but Trump then hired) and replaced him with the rabidly anti-Russian H.R. McMaster (whom the aristocracy’s people were recommending to Trump), Trump was expecting to be relieved from the aristocracy’s intensifying campaign to impeach him or otherwise replace him and make the President his clearly pro-aristocratic Vice President Mike Pence, but the overthrow-Trump campaign continued even after McMaster became installed replacing Flynn. Then, perhaps because the replacement of Flynn by McMaster failed to satisfy the aristocracy, Trump additionally ousted Stephen Bannon and simultaneously bombed Syrian government forces, and now the campaign to overthrow Trump seems finally to have subsided, at least a bit, at least for now.

安全保障アドバイザーのマイク・フリンを捨てて、特権階級のおすすめだったアンチロシアのマクマスターに変えたことで、トランプは、特権階級の「弾劾してやる」とか、「おまえをクビにして、特権階級のお気に入りの副大統領のマイク・ペンスに跡を継がせるぞ」という脅しは、おさまると思っていた、しかし、マクマスターがフリンの後釜に座っても、ネガキャンは終わらなかった。
そこで、たぶん、フリンをマクマスターに変えただけでは、特権階級は満足していないということで、トランプは、スティーブン・バノンを追い出し、同時にシリア軍を爆撃した。
そして今、「トランプを倒そうキャンペーン」は、やっとのことで、おさまってきたように見える、少なくともちょっとは、今のうちだけは。
ふむ、だから、やはり「降参」の始まりは、フリンをクビにしたところから、だったと見るのが、妥当なんでしょうね。
それでもネガキャンがおさまらなかったから、バノン、そしてシリア爆撃までやって、確かに、最近のアメリカのメインストリームメディアは、以前のような「トランプ=ロシアの手先」というような露骨な攻撃は、しなくなった。
本当に、びっくりするくらいに、その手の報道が、影をひそめたんですね。
アフガンへの爆弾投下で、もっとおさまってきたような気もするな。
どうしてこんなに、「いっせいに」、メディアの方向性が変わるのか。
「捧げ銃(つつ)」とか、「右向け右」みたいな。
それは、この筆者は、そもそも特権階級が、メディアを支配しているからだと、しています。

メディアはトップ2000人の金持ちが仕切っている

Trump’s domestic enemies have been variously called “neoconservatives,” “Zionists,” “Democrats,” “liberals,” “Republicans,” and other such misleading categories, all of which ‘sides’ are now actually controlled by, and representing, only one side, the world’s roughly 2,000 billionaires (and this Forbes list doesn’t even include royalty, who are the topmost of all, such as the King of Saudi Arabia, whose net worth is in the trillions).

トランプの国内の敵は、いろいろな呼び方がされるが、ネオコンとか、シオニストとか、民主党とか、リベラルとか、共和党とか、しかし、すべての「側」が、たったひとつの勢力の味方をしているのだ、世界のトップ2000人の金持ちたち。フォーブス誌がリストアップしているような、ただそこには、サウジ王家のような、王族は入っていないけれど。

These are the individuals who control all of the ‘news’ media that have significantly large audiences, and who also control Wall Street, and who also control the giant oil companies, and who also control the top 100 U.S. government contracting firms, the top 25 of which are shown, in the ranking of the “Top 100 Contractors of the U.S. federal government”, as being:

これらの人たちが、オーディエンス人口の多いすべての「ニュース」メディアをコントロールしているのだ、同時に、ウォールストリートも、巨大オイルカンパニーも、アメリカ政府のトップ100契約先も、そしてそのうちのトップ25は、以下のとおり

1: Lockheed Martin. 2: Boeing. 3: General Dynamics. 4: Raytheon. 5: Northrop Grumman. 6: McKesson. 7: United Technologies. 8: L-3. 9: Bechtel. 10: BAE. 11: Huntington Ingalls. 12: Humana. 13: SAIC. 14: Booz Allen Hamilton. 15: Healthnet. 16: Computer Sciences. 17: UnitedHealth. 18: Aecom. 19: Leidos. 20: Harris. 21: General Atomics. 22: Hewlett-Packard. 23: Battelle. 24: United Launch Alliance. 25 Los Alamos National Lab.

Those 25 firms are about 35% of the total, but they’re almost 100% ‘Defense’ Department suppliers, and so they show the extreme extent to which the extraordinary entity that President Dwight Eisenhower had called (only when he was leaving office — he had been too scared to say it while still in the White House) “the military-industrial complex”, has come to be the aristocracy that’s now joined-at-the-head to the behind-the-scenes U.S. government, and that uses, and is used by, that government (its politicians), in order to protect and increase their personal wealth.

これらの25企業が、全体の35%を閉めている、そしてほぼすべてが、「防衛」省の供給者だ、そしてアイゼンハワー大統領がオフィスを去る時に「軍産複合体」と呼んだ巨大な存在だ。 これらが特権階級になっていて、アメリカ政府を裏で動かしている、自分たちの個人的な富を守り、増やすために。
トランプだって、億万長者なわけなんですが…これらすべてを、まとめて敵に回したら、やっぱり、最初に自分が言ったことを、守れなくなった。
それにしても、3ヶ月ももたなかったので、降参するまでが、早かったとは、思いますねえ。

大統領で居続けるためには、ヒラリー・クリントンやオバマのようにならなければ

この筆者は、こういうふうに結んでいますね。
So: Trump has decided to do what he thinks he must do, in order to be able to stay in power.

だから:トランプは、権力の座に居続けるためには、しなければならないことをしようと決めたのだ。

In order to stay in power, he must be a type of President that, in some crucial respects, is more like what Hillary Clinton and Barack Obama were, than what he had promised his voters he would be. And the reason that this is so, is that this is what America’s aristocracy demands, in today’s American ‘democracy’.

権力の座に居続けるためには、彼は、有権者に約束したようになるよりも、ヒラリー・クリントンやバラク・オバマみたいでなければいけないのだ。
そしてそれが、アメリカの特権階級の要求なのだから、これがアメリカ流の「民主主義」なのだ。
オバマを否定し、オバマとは違うことをすると言い、ヒラリーは、オバマと同じことをするからダメだと言って、それで当選したトランプのような人が、大統領を続けるためには、オバマみたいにならなければいけないというのは、非常に何か、皮肉なというか、トランプはよく、こんなことをやってのけられるなあというか、よくこれで、気が狂わずにいられるなあというか。
obama
トランプが降伏したことは、世界平和にとっては、非常に残念な、困ったニュースなんですが…あとは、有権者たちがどうするのか、ここですね。
「介入主義はペイしないから、やめる」「そのために、ロシアとの関係を改善する」という公約を、堂々と破っている大統領を、アメリカの有権者たちは、どうするつもりなのか。
…今のところ、「死んでいるのは、アメリカ人じゃないし、キリスト教徒でもないから、別に関係ない」という、そういう感じでは、あるんですよね。
「これから死にそうな人たちも、日本や朝鮮だったら、アジア人だから、別に関係ないし」とか。
まあ、そんな感じですよ。これが、フランスやイギリスやドイツのことだったら、アメリカ人たちは、「街を破壊したらいけない」とか、「なるべく殺さないほうがいい」とか、思うところなんですが。

サンダース支持者たちは今?

私は、ちょっと思うんですが、サンダースを支持した人たち、熱狂的に支持した若者、あの人たちは、いったい、どう思っているのだろうか、と。
サンダースが、戦争をやめようと言ったときに、「そうだそうだ」と言って、彼を大統領にしようとした。
でも、できませんでした。
トランプは、介入主義はやめたいと言って、大統領になって、でも公約を破って、よその国への侵略を、もっとやり始めた。
サンダース支持者たち…なんとも思ってないのだろうか。
そもそもですよ、「特定の国の人をアメリカから追い出す」とか、「入れないようにする」よりも、「こっちから出かけて行って殺す」というほうが、ひどいし、悪いことなのに決まっているじゃないですか。
「追い出す」とか、「入れない」よりも、「出かけて行って殺す」とか「壊す」ということのほうを、先に、やめなければならない、だけど、「追い出すのはダメ」とか、「入れないのもダメ」と言っているわりには、よその国まで行って破壊行為をやることについては、ダメとは言わないんですよね。
へんなの。
まあ、だいたいの話が、アメリカ人のすることで、ヘンじゃないことなんて、ほとんど、ないわけなんですが。