マリーヌ・ル・ペンがフランスのEU離脱を公約に

マリーヌ・ル・ペンがイギリスのEU離脱を「勇気」と絶賛し、フランスの離脱を誓う(Breitbart誌より)

はい、最近では、ドナルド・トランプへの公式支持を表明した、欧州でも最右翼と見なされる国民戦線のマリーヌ・ル・ペンが、「フランスのEU離脱」を公約に掲げました。
自分が大統領になったら、国民投票をやって、EUを離脱するんだそうです。
次の大統領選は…来年の春だそうですが。

画像はThe Guardian誌より
マリーヌ・ル・ペン
Ms. Le Pen then announced that if she is elected president, she would hold a referendum on France’s membership of the EU, pledging to stand up for the “France of the forgotten, the abandoned, and the voiceless.”

「忘れられ、捨てられ、声をなくしたフランス」のために立ち上がる

“We can again be a free, proud and independent people,” she said.

「われわれは、もう一度、自由で、誇りある独立した国民になれる」

フランス人はもっと威張りたい

…うまいですねえ。ツボをつくのが。
「フランス人というのは、そもそも、世界で一番上等で、偉いんだ」という「前提」がある、その上で、こういう言葉が、訴える力を持つわけですね。
「世界で一番上等で、偉いはずなのに、それにふさわしい扱いを受けていない」ということを、言っているんです。
フランス人というのは、今でも威張っていますが、どうして、それでも「不満」なのか。
それは、基本的には、ル・ペンのような右翼が言っている「原因」とは、違うんです。
それは「もともとの原因」があるから、「そうなっている」という話であって、「もともとの原因」は、EUに入っているから、イスラム教徒が来てしまって、迷惑だということではないんです。
だから、「どうしてそうなったのか」という話です。
フランス人が、自分で思っているほどには威張れなくなったのは、基本的には、「イギリス人のせい」です。
つまり、イギリス人の一部が、外に出て行って、強盗と殺人で「アメリカ大陸という巨大利権」を獲得した、そしてそこが、逆に、欧州を圧迫するほどに威張るようになった。
だから、そのことによって、フランス語を話す人たちの立場が、前よりも低くなった、そういうのが根本的な原因。
だから、「中東移民が原因」「中東から人が来るのは、EUに入っているせい」とか、そういう単純な話ではない。
そして、あのだだっぴろいアメリカが、中東移民を嫌って、ほとんど受け入れていなくて、これからも受け入れそうにないという現実、これに対し、「世界で一番上等なフランス人」が、「ずるい」「不公平だ」という「不満」を抱かないほうが、変ですよね。

フランス人が、本当に、「世界で一番上等である状態」を取り戻したいと思うならば、アメリカを侵略し、征服して、自国からの植民者を大量に入れ、そしてアメリカを、「フランス語を話す国」に変える必要があります。
そこまでやらないと、「フランスが世界一」という状態には、できない。
「EUをやめて、中東移民を追い払えば、世界一になれる」というわけではない。
そういうことをしても、相変わらず、アメリカには威張られるんですよ。
そして、世界では「英語」ばかりが使われる状況というのは、変わらない。
フランスは、ネット言語(だかIT言語)を英語にすることを拒否し続けている最後の国だそうですが、そういうふうに「そろそろいいだろ、諦めて、もう英語にしろよ」という圧力を受けているという事実が、そもそも「アメリカに威張られている」ということの、何よりの証拠なんですよ。
フランス人は、本当は、「おまえらのほうが、フランス語に変えたらいいだろ」というふうに、要求したいけれど、できないんです。
フランス人は、敗戦国のドイツが、すっかりアメリカの植民地にされてしまったと言って、「気の毒がっている」んですが、いっぽうでは、「バカにしている」んですね。
「アメリカみたいな頭カラッポの劣等国に、言いなりにされて」とか。
しかし、フランスも、実は、それほどドイツと変わらない。
でも、ドイツをバカにすることで、なんとか「世界一高いプライド」を保っているというのが、フランス人なんです。
凱旋門

誰も彼もが、イスラム移民問題に振り回される

とにかく、今、「世界」で、一番問題になっていて、「人の気持ち」を左右するファクターというのは、「イスラム移民問題」なんですよ。
まあ、私はそういうふうに見ていますが、ともかく、ル・ペンが大統領になるということは、たぶん、かなり考えにくいことなんですが、なったら、EUを離脱するかもですね。
英仏抜きのEUとなったら、これはまあ、ほぼ、ドイツが一人でがんばって、「その他全部を養う」的な。
アメリカに対抗するために、みんなでまとまろうと言って、EUを作ったはずなのに、今では、我先にと逃げ出す状況。
それも、「イスラム教徒の移民が嫌だ」という理由で。
前にも言いました(過去記事:メルケルがついに移民受け入れ政策の誤りを認める)が、イスラム教徒を非イスラム教国に移住させるというのは、現実には、難しいんです。現実と理想は違う。

↓イギリスのEU離脱後に流れてきたマンガ。非常によくできている
brexit