今わかったはずがない「朴槿恵大統領の汚職疑惑」が、なぜ今出てくるのか

さて、日本のメディアでは、異常な盛り上がりを見せている「朴槿恵大統領の汚職疑惑」なんですが。
韓国の「改革者」が、己の汚職でぬかるみに South Korean ‘new broom’ mired in own clump of corruption(Asia Times誌より)
park

一ケーブルテレビの放送が、ここまで発展する?

そもそもは、「何」がきっかけて、どこが出してきた話なのか。
このスキャンダルの仕掛け人、ゴーサインを出したのは、どこなのか。
ハフィントンポストによると、どうやら、韓国のケーブルテレビのJTBCというところらしいんですね。
ここは、どうやら、日テレや、テレ朝との関係があるようですが。
…。
番組が情報を入手した「方法」というのも、けっこう変。
どうやったのか知りませんが、「朴大統領の40年来の親友」のPCの中身を入手したから、それで「たまたまスクープをすることができました」というのは…。
ともかく、私が、「スタート地点」を重視するのは、まずは、「この話が、今になって急にバレたような話のわけがない」と思うからです。
40年来の仲だったとすれば、「今わかった」ような話のわけがない。
これはまあ、例えばですよ、「実は安倍普三はT教会とズブズブだった!」ということを、「まるでそれがスクープであるかのように、今気がついたかのように報道する」のと、同じじゃないんですか。
だから、これでわーっと騒いで、朴槿恵さんを辞任に追い込むとか、または、このことを、「見せしめ」にして、「ほかの国のリーダーたち」への脅しにするとか、そういう意図がなければ、「今出る」という意味が、わからない。
例えば日本でも、特定のテレビ局なり週刊誌が、何か、政権の腐敗に関する放送とかスクープ記事を書いたとして、こういうふうに一気に追い詰めるというところまでは、行きませんよね。
あらかじめ、そういう根回しでもしていない限り。
だいたい、安倍が、常時、メディア関係者に高額接待をしていることなんか、これは、利益供与とか買収行為でなければ、いったいなんなんでしょうかね。
政治とメディアの癒着ですから、「腐敗」を意味する以外の何物でもないし、これを理由に、辞任に追い込んだっていいんじゃないの。
でも、そういうことは、みんなが知っているし、一部の週刊誌は書くけど、それで「安倍汚職辞めろ」というふうに、わーっと盛り上がったりしないでしょ。
野党も、国会で、そういうことを質問しない。
「メディアと鮨を食うのをやめなさい」とか、そういう当たり前のことを、どうして、国会で言わないんでしょうかね。
甘利の件もそう。
あれだって、やりかたによっては、内閣総辞職に追い込むべき話なのに、ぜんぜんそうなってない。
「知られていないから」では、ないんですよ。
みんなが知ってても、そういう「仕掛け」がされなければ、辞職に追い込むということにはならない。
だから、もう、「筋書き」ができていて、大がかりに仕掛けてあったんじゃないんですか。今回の朴さんの場合には。

朴槿恵の態度には、一貫性がない=誰か一人の人の言いなりになっていたとは考えにくい

もうひとつ言えば、私は、報道されているように、朴槿恵さんが、この人の言いなりになっていたというふうには、見ませんね。
というのは、朴槿恵さんが就任して以降の行動には、一貫性がない。
正確に言えば、安倍政権と、慰安婦合意をしたあたりから、それまでとは、反対になってしまった。
慰安婦合意に続いて、THAAD配備決定ですから、明らかに、慰安婦合意の時点から、「親米反中」に、なっていたんです。
彼女自身が、どういう政治信条を持っているかということはわかりませんが、ともかく、朴槿恵さんが就任してから、何年間かは「親中」で、昨年の暮れあたりから、いきなり「親米反中」に、鞍替えをしたという形になるんですね。
そうなると、「特定の同じ人」のお告げとかを聞いて、その人の言いなりになっていたという場合には、こういうふうになるわけがない。
さらに、今回言われている相手が「そう」なのだとしたら、40年前から言いなりになっていたということになるから、朴槿恵政権の最初の3年間くらいが「親中」だったということの説明がつかないんですよ。
だから、常識で考えたら、朴槿恵さんは、この崔順実とかいう人の「言いなりになっていた」のではない、または、言いなりになっていた期間があったとしても、「任期中を通してずっと」ではないはずだということになる。
ひとつ気になるのは、崔順実さんという人の「経歴」が、よくわからないということです。
大学は韓国で出ているということはわかったんですが、その前に、どこで生まれて育ったのか、どこで教育を受けたのか、この人が「どこかの政府との関係があるのかどうか」を考えるという場合には、そこらへんのことは、けっこう重要なんですが。

米中双方に、朴槿恵失脚の動機があるが

朴槿恵さんは、中国とアメリカの「両方」から、失脚させられる理由がある。
彼女の「親中アピール」でもって、韓国は、中国からはずいぶんといい思いをさせてもらったのに、THAAD配備で裏切った、不義理をしていると、それがひとつ。
いっぽう、アメリカには、「今、朴さんを失脚させる理由がない」んじゃないかと思われるでしょうが、日本やアメリカのメディアが、これだけいっせいに、あたかも「根回しが来ていた」かのごとく騒ぐんだから、やっぱり中国ではないんですよ。
中国だとしたら、今後、朴槿恵さんが急に気が変わって、「THAADはやめます」と言い出した場合とか、または、彼女が辞任をして、後任の人が「THAADはやめる」と言い出した場合には、今回の「仕掛け人」は、中国かもしれない。
しかし、現在名前の挙がっている「最有力後継候補」というのは、国連事務総長の潘基文ですよね。
この人は、完全に「親米」ですよ。
中国が仕掛けて、朴槿恵さんを辞任に追い込んだとして、後継に、「THAADをやめそうな人」を、立てることができるんでしょうか。
その可能性は、今のところ、かなり低いような気がするけどな。

アメリカが朴槿恵を守っていない

もうひとつおかしなことは、もしもですよ、アメリカにとって、朴さんに韓国を仕切らせることが「重要だ」と思っていたら、アメリカは、こんなスキャンダルなんか、出てくる前に潰しているし、出て来ても、彼女を守りますよ。
「巨額の金」が関係しているんだから、その金のためには、どうしても朴さんが大事だと思えば、どんなことをしても、彼女を守る。
軍事産業の金が絡めば、どんなことでもするというのは、今回のアメリカ大統領選を見ていると、本当によくわかる。
特にメディア関係者は、ものすごく「忠実」なんですね。
全員がグルになって、本当に、なんでもする。
「カラスは白い」とか、そういうことを、まじめな顔で、大合唱するんですね。

THAAD関係だとしか考えられない

だから、どっちなのかと言って、まあ、ざっくり言って、今回は、やっぱりCIAじゃないんですか。
そういうふうに、消去法と状況証拠から見た場合には、やっぱり、「よく気が変わる朴さん」が、「THAAD配備について、考え直したい」というふうに言ったんじゃないかとしか、思えない。
前にも書いたように、地元民の激しい反対で、配置場所を変えたのに、変えた先の地元民からも激しく反対され(過去記事:窮地の朴槿恵大統領:激しい反対運動でTHAADの配置先を変更したが)、最近では、ホワイトハイス前で抗議運動をされてしまうとか(過去記事:韓国のTHAAD配備反対デモが、ホワイトハウス前で展開)、かなり困ったことになっていた。

だから?
この場合には、安倍普三のように、機動隊を入れて、地元民を弾圧しまくって、強引にやるか、または「やめる」とか、「延期する」とか、どれかですよ。
しかし、つい最近でも、アメリカ政府が、ケリーだったか誰かが、「THAAD配備にはすぐにでも対応できる」とか言って、「早くしろ」と、韓国側にプレッシャーをかけていたのを、見たばかりです。
なので?
「見直したい」とか、「延期したい」と言われたら、どうしますかね。
折も折、「アメリカへの造反」が、相次いでいる中、韓国までがそうなったら、ものすごく困るわけですよね。
ドゥテルテが「合同パトロールも、合同演習もしない」「米軍は2年以内に出て行け」と言い始め、トルコのエルドガンは言うことを聞かなくなって、クルド兵を大規模空爆している。
さらに、前の記事(過去記事:NATOが臨戦態勢:もっと予算を獲得したいからなのか、ヒラリーを勝たせたいからか)でも書いたように、ペンタゴンは、欧州でも、ロシアの脅威をじゃんじゃん煽って、予算を確保したり、ミサイル基地を作ったり、余計な軍備を買わせたりしている。
そういう中で、朴さんが「延期したい」とか言い出したら、「ああそう」というわけには、行かないと思う。
そもそもの話が、韓国にTHAADを配備するというのは、次に日本にもっと高額で買わせるためには、絶対に必要でしょ。
韓国がTHAADを置かないのに、日本に先に置かせるということは、できませんよね。
だから、韓国に、THAAD配備を見直されたり、延期されるということは、「大損」を意味する。

だからまあ、あらゆる点から見て、今回の件は、CIAという可能性が、最も高いと、私は思っているんですよね。

朴槿恵スキャンダルについての補足

いろいろ考えてみたら、場合によっては、今回の暴露が、「THAAD粉砕に結びつく可能性」もあると思うので、「中国仕掛け説」も、現段階では、保留しておこうと思います...

盛り上がる「朴槿恵辞めろデモ」、恐怖に震えながら見守る安倍普三

中国紙(もちろん政府が運営)は、韓国の件をどういうふうに伝えているかというと、まあわりと冷静に、突き放した感じなんでしょうかね...