アメリカ国防総省が、「誤爆」について公式に声明を出した

ペンタゴン「シリア軍への空爆は非意図的、遺憾」(Sputnik誌より)
strike
これはすごいニュースなんですが、いつものように、日本語のメディアでは無視されるに決まっているので、せめてここでは記録しておきます。

EUが「ロシアのプロパガンダ」「見るな」と名指しする理由

前から言っているように、Sputnik誌というのは、ロシア政府系の新聞なんですが、最近、EUから、「有害で間違った情報を流しているロシアのプロパガンダ」のひとつとして、名指しをされている。
もちろん、どんなメディアでもそうですが、「カンペキに中立なメディア」なんか、ありません。
そもそも、そんなことを言ったら、アメリカの有名な新聞だって、ものすごい偏向しています笑。
ロシアや中国、シリア・イラン・北朝鮮みたいな「仮想敵国」についての偏向報道をしているだけではなくて、「自国の大統領候補者」であるトランプみたいな人についても、堂々と偏向報道をやっていたんですから、ロシアのSputnikがプロパガンダだと言って名指しをするのは、目くそ鼻くそを笑うというか、そういう話だと思うんですが。
ともかく、西側政府が、どうしてSputnikをプロパガンダだと言い、「見るな」とか、「制限をしろ」などと言うのか、それは、今回のような、「こういうニュース」を「大きく扱って、報道する」からですね。

やっと声明を出したが「誤爆」に固執

米軍が、やっとのことで、9月の「誤爆」について、今ごろ「釈明」をしたという。
やはり、「誤爆だった」と言い張っており…セルビアの中国大使館の「誤爆」のときもそうでしたが、アメリカというのは、一度「誤爆だ」と言ったら、どんなに誤爆が有り得なくても、絶対にそれをくつがえさないみたいです。
くだんの「誤爆」の件について、事情を知らない人は、過去記事()を参照してください。

言い訳のオンパレード

The Pentagon said that the US-led coalition's forces struck the Syrian army in Deir ez-Zor as a result of an "unintentional, regrettable error."

ペンタゴンは、対ISIS連合軍が、Deir ez-Zorのシリア軍(アサド政府軍)を空爆したことについては、「非意図的で、遺憾な間違いだった」と述べた。

US Air Force Brig. Gen. Richard Coe who is investigating the incident said that the mistake was mostly based on "human factors." "In this incident, ultimately, we made an unintentional regrettable error primarily based on human factors in several areas in the targeting process," Coe told reporters during a press briefing.

この件を調査していたアメリカ空軍のリチャード・コー将軍は、誤爆は主に「人的理由だ」とした。
「この件では、結局は、われわれは、いくつかのエリアをターゲットにするプロセスにおいて、非意図的で遺憾な間違いをしてしまった、主には人的理由による」とコーは記者会見で述べた。

"We can’t say that for certain because there were no uniforms, no insignia and no flags observed," Coe stated. "We believe that the forces that were struck were aligned with the Syrian regime, and we cannot with certainty tell whether they were regime military or some kind of militia or aligned [force]."

「確実なことは言えないが(人的ミスだと思う)、なぜならそこには(シリア軍であるということがわかるような)ユニフォームも、旗などの印も、観察できなかったからだ」とコーは述べた。
「そこにいたのは、シリア政府と協力関係にある戦闘部隊だったと思うが、われわれには、本当にそうだったのかどうか、民兵ではなかったのかどうかは、定かではない」
こうやって、まだ言い訳をしている。
だいたいですよ、その当時は、ISIS軍に囲まれている状態だったというんですから、自軍か敵軍かが判別できないようになんか、していたわけがありません。
そんなことをしたら、同士討ちをされる危険性が大ですから、絶対に、敵か味方かがわかるようにしていたはずです。
さらに、いろんなところが空爆をしているということも、わかっていたんだから、なおさら、「敵か味方かがわかるようにしておく」というのは、常識というか、それが生命線でしょ。

ドローンも出動していた

"We’ve got the F-16s, A-10s, FA-18s and also remotely piloted aircraft as well," Coe told reporters when asked what type of aircraft got involved in the attack.

「われわれ側は、F-16複数機, A-10複数機, FA-18複数機と、ドローンも用いていた」とコーは記者の質問に答えた。
オバマ大好きの「ドローン」も使っていたんじゃん笑。
だったらもう、「無差別に殺す」というつもりだったんですよ。
だったら、そこにいたのは、ISISだけだと「本当に」思っていたか、または「とにかく全部殺してやる」というつもりだったか、ですよ。

「本当に知らなかった」笑

"We would not have stopped the strikes but for the phone call from the Russians," Coe told reporters. "Without that call from the Russians the strikes would have continued for longer than they did, so we’re certainly grateful for that phone call."

「われわれは、ロシアからの電話連絡が来なかったら、空爆を続けていたと思う」 「あのロシアからの電話がなければ、もっと長く空爆をしていたはずだ、だからあの電話があってよかったと思う」
これも、「わざとじゃなかったんだ」という言い訳。
ただし、この人は、ちょっと、演技力が足らないみたい。

これから賠償をするかどうかを決める?

The United States will discuss compensation for victims of the September airstrike on government forces in Deir ez-Zor upon a request from Syrian authorities, US Central Command spokesman Col. John Thomas said.

アメリカ中央司令部の報道官ジョン・トーマスは、アメリカは、9月の空爆(誤爆)の被害者への賠償について、シリア当局側の要請に基づいて、話し合うだろうと述べた。

"Should the government of Syria make a formal claim for compensation against the United States, such a claim will be addressed through appropriate diplomatic channel," Thomas told reporters.

「シリア政府が、アメリカに対し、正式に賠償を求めるべきなのかどうかについては、適切な外交チャンネルを通すことになるだろう」
…ということは、シリアへはもう「賠償」をしてあるということですよ。
裏チャンネルで、何か賠償をしている。
それが、お金だったのか、捕虜とか囚人の引き渡しだったのかは、わかりませんが、なんかしてあるから、「アサドは文句を言わない」ということを知っているから、こういう高飛車なことが言えるんですね。
そうでなかったら、こんなことを言うわけがないんです。
「シリア政府が賠償をしてほしいと言うなら、考える」とか。
そんなことを、これから公式にされたりしたら、大問題になって、困るんですから、こうやって「しおらしく言い訳をした」というときには、「もう終わってる」んですよ。そもそも。

被害当時から、シリア政府側は誤爆ではないと確信

syria
On September 17, US-led coalition aircraft carried out four strikes against the Syrian army near the Deir ez-Zor airport, leaving 62 soldiers killed and some 100 wounded. The Pentagon said that the airstrike was a mistake and was intended to target Daesh militants, while a number of Syrian officials stated that the attack was intentional.

9月17日、アメリカ率いる対ISIS連合軍の空爆機は、Deir ez-Zor空港付近で、シリア政府軍 を4回空爆し、62名を殺害し、100名以上を負傷させた。 ペンタゴンは、空爆は、ISISを狙ったもので、誤爆だったとしているが、シリア当局者の多くはこの攻撃は意図的なものだったと言っていた。

Earlier, the Russian Defense Ministry slammed the US-led coalition for striking civilians instead of terrorists. "Weddings, funerals, hospitals, police departments, humanitarian convoys and even Syrian troops, fighting against Daesh terrorists near Deir ez-Zor, become targets for coalition airstrikes," spokesman Maj. Gen. Igor Konashenkov said, commenting on an alleged US-led coalition's member's strike on a Syrian village in north Aleppo that claimed at least six lives.

これに先立って、ロシアの防衛大臣は、アメリカ率いる対ISIS連合軍がテロリストではなく非戦闘員を空爆していることを非難していた。
「結婚式、葬式、病院、警察署、人道支援輸送車や、シリア政府兵、それらの、Deir ez-Zor付近でISISと戦っている人たちが、連合軍の空爆の標的にされている」と、(ロシア)報道官は言い、アメリカ率いる対ISIS連合軍の北アレッポの村への空爆が、6名の命を奪ったという事実に触れた。
これが、ロシア+シリア政府側の「見解」なんですよ。
アメリカ側と、EUは、ずーっと、「逆のこと」を言っていますよね。
9月の国連でも、そうだった。
「非戦闘員や人道支援車輛を攻撃しているのは、アサド政府軍と、ロシアだ」と言って、「そういうことはやめろ」と言って、「非難した」んですよ。
そして、「ロシアのプロパガンダは、ウソが書いてあるから見るな」とか、言っているわけですよ笑。
だから、どちらが「正しい」のか、というか「事実に近いことを言っているのか」ということは、われわれ、「見る人」が、両方を見て、そして自分で判断をしていくしかない。
アメリカとEUが、「あれは見るな」「これだけを見ていたらいい」と言ったからといって、その通りにしていれば、それでいいんでしょうか。
もちろん、日本語のメジャーなメディアなんていうのは、もともと、アメリカが「いい」と言ったものしか、伝えないことになっているんですよ。

これも「トランプ効果」ではないのか

だから、今回の声明についても、私は「トランプ効果」だと、見ています。
トランプが勝たなかったら、この声明が出ていたと思いますか。
9月にやらかして、プーチンから非難され、「ああ、誤爆しちゃった」とか言って、それからずっと知らん顔、それなのに、トランプが次期大統領になるとわかったら、慌てて取り繕って、後始末をしている。
つまり、「トランプ政権になってから、この件を詮索されたくないから」ですよ。
「とにかくトランプが来る前に、この件を終わらせておきたかったから」です。
詮索されたら、「誤爆じゃなかった」ということがバレるかもしれないし、責任者は誰だったんだということになって、誰かが左遷されるとか、訴追されるとか、またはですよ、モサドが関係していたとか、そういうことがあったとしたら、もっとマズい。
そういうものをトランプに握られたら、トランプは、そのカードを、今後の軍掌握・引き締めと、イスラエル懐柔のために使いますよ。
だから、このタイミングで、処理をしておくと。
オバマの指示ですね。
これから、1月20日までに起こることは、こういう「トランプになる前の後始末」が、いっぱいあると思うんですが、例のアルヌスラ掃討の件もそうだし、日韓の軍事秘密共有協定を、バタバタと結ばせたのなんかも、そうですし、
GSOMIA
翁長知事に、高江容認発言をさせたのも、そうでしょう。
onaga
安倍普三を使って、沖縄で強引なことをやらせて、人権蹂躙をしまくって、現地の反発がものすごいところまで来ていることや、反米感情が高まっていることを、トランプ政権に知られたくないし、詮索されたくないんです。
沖縄には問題がないから、このままでいいと、思わせたい。
そうやって、あとは、東アジアの関係では、ほかには何をするつもりなのか、知りませんが。